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歯周病原性細菌は、インベーダーとして侵入し、お互いコミュニケーションをとりながら集団となって歯周局所に住み着く。歯周ポケット内の歯周病原性細菌は、種類を超えてシグナルで会話しながら数の調節や病原性さえ調節する連中である。
歯周病原性バイオフィルムは、チャネルを介して歯肉溝滲出液を栄養源として取り入れ、自分たちの環境を破壊するような老廃物を排出して持続感染する。住み着いた嫌気性細菌群は、毒素や組織破壊性の酸素を分泌し、歯肉の炎症を起こし、潰瘍を作り、細胞の結合を破壊して歯周ポケットを形成し、爆発的に増える。それらの細菌群は、上皮細胞などに侵入することができるインベーダーである。
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すでに、口腔細菌が明らかに関与していることが認められている心臓疾患として細菌性心内膜炎があげられる。歯科処置等による一過性の菌血症で、血流中に侵入した細菌は心臓に達する。
心内膜炎患者から検出される細菌の検出率を調べると、最も高頻度(30%-40%)に分離されるのは口腔内緑色レンサ球菌である事が示されている。
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歯周炎が血管系疾患に影響を与えるメカニズムには、菌または菌の成分が直接血液中に入りマクロファージを活性化して引き起こすという2つの可能性が考えられる。実際に歯周炎の患者で心冠状動脈のバイパス手術を受けた人の血管壁から歯周病原菌の検出を行うと、25%程度の患者から菌が認められた。

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最近の報告では、血清中のP.gingivalis抗体価により脳卒中のリスクを予想できるという報告もされ、歯周炎と心血管系疾患との関係がさらに明らかにされつつある。
Aiutらは、スケーリング、ルートプレーニングに加えミノサイクリンの局所投与により、血中の脂質のプロファイルの改善が認められ、心冠状動脈疾患のリスクの低下を認めたことを報告している。Tonettiらは、集中的な歯周処置は血管内皮細胞の機能を回復させることを報告している。これらの報告は歯周炎が血管系に影響を与えていることをさらに明らかにしている。現時点までの報告では歯周炎が心血管系疾患の発症にどの程度寄与しているかについて解明するまでに至ってはいないが、次第に明らかになrつつある。今後の解析によりさらに歯周病治療の重要性が明らかにされていくと考えられる。

